呼吸は切り替わる~名前のない、もう一つの呼吸法~

呼吸 声 歌 心 体 演奏 バランス 整える 緊張 リラックス  潜在能力 聞く 感じる 伝える 存在 表現 充実

昨日は広島·福岡の皆さんとのオンラインワークをやってました

ワークショップに参加してくださっている方が、あんまりこのブログを読んでくれてないことが分かって来ました。

読んでくれると嬉しいです。

昨日のワークショップには新しい方にもご参加頂いて非常に有り難かったです。

その新しい方が余りにも受け取り方が鋭くて洞察も深いことから、全て分かってしまってもう次からは来てくれないような心配ばかりが頭をよぎりまして、それで「是非ともまた次回も参加してください」と、ひたすらお願いを繰り返しておりました。

また来てくれると嬉しいです。

それで、前回からスポーツ的な動きと呼吸に関して綴り始めています。

例えばボールを投げる時、エネルギーの焦点を何処に持っていくのが最も効率が良いかと考えますと、指先からボールが離れる瞬間だと思います。

その瞬間、同時にヒトは息を吐いている、もしくは呼気傾向で息を止めていることもあり得る、と前回述べました。

それで、それよりももっと大事なことは、息を吐けるからにはその前段階で息を体に取り入れているという事実がある、ということでした。

このような事実は非常に大切なことだと思いますが、それほど殊更には取り上げられて来られなかったものでは無いでしょうか。

そうなんです、本当に体が勝手にやってくれていることであるが故に、放ったらかしにされて来たのだと思います。

これが、良かったんだと思います。人間の知恵とやらでいじくり回されずに済んだ、スポーツの世界では、の話です。

読者の皆さんも、またしても、ちょっとご自身の体の動きで実験可能な方はやってみてくださると良いのですが。

ボールを投げる瞬間に息を吐いている事実を認識したとして、そうしたら、その吐く息がもっと充実するように、ボールが指先から離れる前のどこかのタイミングで「上手く息を吸え」(昔、スネークマンショーに「急いで口で吸え」というのがありました)と指示されたら、どうですか。

より良いボールが投げられそうな感じはしますか。

野球の例えでは分かりづらい方の為にサッカーの例えに切り替えましょう。

例えは切り替わる。

PK。ペナルティーキックの時。キッカーはボールをセットして、助走を取る為に少し後ろへ下がりますね。

そうしてゴールの方を向いて、その場で暫し佇んで、どのようなタイミングでどの角度でどの方向に蹴ろうかと、ゴールキーパーとの駆け引きも含めた時間が流れます。

この時、キッカーの呼吸は、切り替わっていません。運動の最中で、気分も高揚しているでしょうから活発にはなっているでしょうが、タイプとしては普段本を読んだりじっと考え事をしたり、寝ている時と同じタイプの呼吸です。

それで、助走を始める瞬間、呼吸は切り替わり、ボールを蹴る瞬間には最も強烈に切り替わった呼吸と共に息を吐いています。

どうですか、サッカーの例えは分かりやすいですね。

それでやっぱり、このボールを蹴る瞬間の呼気を更に増強させる為に、そのちょっと手前で「しっかりと息を吸っておきなさい」と指導されたら、より上手くボールが蹴れると感じますか。

スポーツ選手がヨガを始めとした呼吸法をトレーニングに取り入れていることは近年極普通のこととなっています。

が、幸運にも、プレーの流れをギクシャクさせてしまうような意識的な呼吸の介入、そんなことには今のところなっていないと僕は見ています。

もし誰かが血迷ってそのような介入を思い付いたとしても、直ぐに意味の無いこと、と言うより却って邪魔にしかならないことに全ての人が気付くことでしょう。

そうなんです、ヒトは(他の動物のことは今のところ知りません)、高まったエネルギーを何らかの理由で自分の外側へと放出(大阪には放出と書いて“ハナテン”と読む駅があります)する際に、呼吸はひとりでに切り替わって、必要な分量の息を勝手に取り込んでくれます。

念の為にもう一度書きます。

必要な分量の息を勝手に取り込んでくれます。

しかし他方で、残念ながらそれを、伝統的に、あからさまに遮断している世界がある、ということです。