呼吸は切り替わる~名前のない、もう一つの呼吸法~

呼吸 声 歌 心 体 演奏 バランス 整える 緊張 リラックス  潜在能力 聞く 感じる 伝える 存在 表現 充実

書き忘れてたことがありました

すっかり忘れてました、何を?、皆さんお待ちかねの呼吸と電車内でのマナーの話上級編を、です。

前回まででも再三述べておりますように、呼吸を本来の働きへと戻すことは、体そのものが拡張と収縮のエネルギーを滞りなく順繰りに体の深部(芯部)から体表へと放散させることです。

このようなエネルギーの流れを辿るとすると、体表という柔らかな、外界との境目の内側で巡回するものと、体表を外界へと押し広げるものと両方が混合しているように思います。

呼吸が活性化して来ますと、着衣が動くのがよく観察出来ます。

つまり、呼吸は単に酸素や二酸化炭素といった気体が体内と体外を出入りしているのみでは無く、体表に起こる大小の拡張収縮の動きでも周囲の空間に働き掛けていることになります。

体の中から押し広げられたエネルギーは体表の外側にある空気をも押すということです。

このことを自覚すると、天文学者や物理学の博士の中に占星術に嵌まり出す人が少なからず現れることにも納得出来るような気がします。あのニュートンが晩年そうだったと聞いたことがあります。

一見するとこのような科学~否科学への転身は到底理解し難いことのようでもありますし、実際にニュートンの弟子や周囲の人達は全く理解を示さなかったどころか、大先生は血迷ってしまわれたというような評価しかしなかったと聞きます。

同じ科学者でもとことんまで突き詰め切れない平均点かそれよりちょっと上位の人には残念ながら届かない世界なんだと思います。

やっぱり天才か天才でないかは大きな差なんですね。

物質、特に天体のように巨大な質量を持つ物からの各々の重力とか、自転や公転による遠心力のようなものが周囲に波及してゆく様を想像し、それが何処まで影響を及ぼすのか、更には他からのエネルギーとぶつかったり交錯したりして、この地球にも届いていると考えると、考えるとと言うよりは気付くと、決して否科学的なことではなく必然の転身だと言えるのでしょうけれど。

さて、ここから一気に視点を、無限の宇宙空間から生活感バリバリの電車の中へと切り替えてもらいます。

電車に乗っている僕らは、ツルッツルで素っ裸のマネキンでは無く、衣服も着て荷物も持っていて、パーカーを羽織っていれば背中にフードが垂れ下がっていたり、長髪であればそれも背中側に自分の体の延長としてしっかりと空間の中に存在しています。

リュックサックであれハンドバッグであれ、全てが自分の体の延長としてあの狭い空間にあって、それらも全て自分の呼吸運動のレンジの中に含まれます。

それら体表のラインからはみ出した事実上の体の一部が自分の周囲の何処まで到達しているのかに、全く無頓着な人の多さが満員電車における不快感の最大の正体だと確信します。

電車の入口付近、扉の脇に立つ時、直ぐ後ろには座席の端に座っている人の頭がありますが、立ったままスマートフォンに夢中になったり、座れなかった代わりに少しでも楽になろうともたれ掛かったりして、自分の背中や背中側のパーツが座っている人の頭スレスレに位置していることなどには全然気付いてない人は余りにも多いです。

リュックサックは体の正面に抱えるように推奨されてますが、それをやって意味があるのは座席の前の吊革が掴める位置に立っている人のみで、それ以外の場所ではお腹に抱えられても大して意味がない。手提げ鞄のように足下に提げて持たないと。と、呼吸を通して先ずは自分の体のテリトリーを尊重出来ていれば、お互いになるべくそのテリトリーを侵さないような配慮が自然と芽生えるものです。

少しでも詰めてスペースを有効に使おうとしないのは何も座席だけの話ではなくて、立って乗車している人も奥に詰めないのが多いですね。扉付近だけぎゅうぎゅう詰めになっていて、座席の前は余裕があるのに、端っ子に立ってるヤツが知らん顔して詰めないから密度に偏りが出てしまったり。

お互いに出来るだけ不快な思いをしないようにといった配慮の下、それでもどうしても触れ合ってしまうことには寛容さも生まれますが、無頓着無配慮によって本来尊重されるべき人一人一人のスペースの侵害には憤りを隠せません(←呼吸の修行が足りないから)。

夜空の星々が互いにバランスを保っているように、この星の上で暮らしている僕達人間も含めた生き物やその他の物も全てが同じようにエネルギーを醸し出しているのです。

女性の方のハンドバッグ、後ろ半分だけ脇の下から背中側に出てることがよくありまして、あれ、ちょうどこちらの脇腹辺りの一番くすぐったい所に当たるんですよね(笑)

自分から派生している体のパーツにも、身に着けている衣服、携えている荷物や道具にも全て、呼吸の振幅は届いています。

どうかそれに気付く人が一人でも多くなりますように。

そこから考えると、超個人的な“音”という波がもたらす迷惑·害悪も、もっと理解が進むでしょう。