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教室とかレッスンという言葉を便宜上使ってはいますが「何かを“教えている”訳ではありません」と言うと「はぁ？(何をご冗談を！)」という感じでよく苦笑されます。
世の中の色々な習い事やお稽古事と平行して相乗効果があれば嬉しいのは当たり前ですが、逆に効果を打ち消しあっているとしか思えない、そんな一瞬にも残念ながら(結構頻繁に)遭遇します。
歌のレッスンや発声練習、筋トレやダンスもそうですし、ストレッチやヨガ(本当はヨーガって言わないと意味合いが違っちゃうらしいですよ！)その他相当高尚なお稽古事で、それがかなり高度なレベルで修得が進んでいても、その見事な育成システムや教室の運営システムに染まっている時、それらと同類と思い込んで始めたのに実はそれにそぐわない事に触れたなら居心地の悪さや違和感を覚えるでしょう。野球で言うと、バッターの手元で微妙に変化する球のように、捉えたと思ってもバットの芯に当たらず凡打してイライラする感じとでも言えましょうか。
更にそのように習い事やお稽古事で賢くなった頭は真新しくて未知の出来事を瞬時に都合よくそれはそれはご丁寧に翻訳(≒矮小化)自分流にアレンジしてくれます。昔から画質の進化した新しいテレビが発売されると、CMでこれまでの画質とこれからの画質の比較映像が映し出されますが、それを画質が劣る筈のこれまでの画面を通して観るという可笑しな演出を平気でやりますね。
またもっと酷いとき、今までのやり方を根底から覆されるような事を目の当たりにすると、きれいさっぱり無かったことにしたりもします。
本当に必要だと感じる事は生活の中で当たり前のように優先順位が上がり、他のスケジュールを差し置いてでも極自然にやり続けますし、逆の場合は無理してやろうとしても優先順位が下がるどころか上手い具合に別の予定が入ったり無意識にねじ込んだりして段々と疎遠になるものです。
何かに熱中していると気が紛れます。生きて行く上でとても大切なことです。わたしもそういう時間をとても大切にしています。しかし生憎わたしが提供している時間は気を紛らわせる為の時間ではありません。
何かが上達し、それを認めてもらい誉めてもらってその証を形ある物として手にすると達成感が生まれそれが生き甲斐にもなります。わたしもそんな気持ちは理解出来る積もりですし、そのような事を上手く利用して世間の人がみんな幸福を感じて生きていてくれたらとも人並みに思います。しかしわたしが提供するのは、何かが上達するに越したことは無いけれど、そんな巧拙に関係なくそもそもが素晴らしいのを思い出してもらい、条件付き承認の世界から一度目を覚ましてもらうこと、です。
だから、そういうのじゃ無い人は、どうか無理しないでくださいという、ちょっと長いお話、です。
