約20年前に上京してすぐに見付けた心地好い居場所が、リブロ書店でした。当時は現在とは違ったレイアウトで、地階に芸術書コーナーがあり、音楽関係の棚の前でいつも長時間過ごしていたのを想い出します。バイトの安い給料をやり繰りして、来月はあの本を、その次はあれを・・・と、幅広い品揃えに多くの夢を与えてもらいました。
10年程前にはフロア増設前に一旦売り場が縮小された期間があり、それだけでもかなり不便で寂しい思いをしたものですが、今回は突然の閉店だそうで凹みます。
お向かいにジュンク堂が出来る前、池袋には他にも個性的な本屋さんが数軒ありました。西口の、今はビックカメラになってしまった所も元は割と大きな本屋さんで、平積みしてある本のセンスの違いを見て回るのも楽しみ方の一つでした。
今、リブロのエントランスに立つ太い柱には、漫画家など著名人の寄せ書きがたくさん見られます。多くの方が感謝のメッセージを書き、それと共に一つの時代の終わりを嘆いておられるように見てとれます。
西武さんがこの跡に何を持ってこられるのかは分かりませんが、心安らぐ文化のランドマーク的存在を自ら手放したという感は否めません。
時代を先取りする?大英断が、大切な文化の荒廃へと繋がらないことを、いつも人は心配しながら見守っています。