昨年の夏にミトミライブで歌わせて頂いた時から、今回こんなにも気持ち良く歌える展望などは全く無いままに、それでも出演のお誘いを受けた時、“ やっぱり逃げちゃダメだよね ” という気持ちが自然にOKの返事をさせていました。
当日は、私達に呼吸法の手ほどきをしてくれた本場欧州からの先生が帰国される日で、終日お付き合いすることも考えられ、それを言い訳にして逃げることも出来たのですが、もし呼吸と声の実践の場、本番をキャンセルしてまで恩師の接待に従事したならば、一体何のために自分はこの先生から呼吸・声・それから表現について学んだか分からない、それでは本末転倒であると思い、出演することを即決した訳です。先生をお見送りする席を例え途中で抜けることになっても、ライブに出演することが理由ならば先生もむしろ喜んでくれるはず、そう思ったのです。
それからそうそう、そうなんです、何回か前に書きました心が作る病のような症状からは、逃げてはいけないんです。もし、また上手く声帯が振動しないかもしれないと、歌うことから逃げたとしたら、その時は楽になります。しかしそうして逃げ続けて行くことは、本来どのようにして生きたかったのか?をごまかし続ける自分を悔いながら生きて行くことでもあります。
いつの頃からかそんな風にならないように自分を導いて、そう、名付けるなら怠け者のもう一人の自分に乗っ取られないように、「その手には乗らないぞ!」と簡単には病院などには行かずに恐怖心を振り払いながら乗り切るようになって行きました。その後からですが、心理学に触れる過程で森田療法の本に出会い読んでみると、そういう生き方を “ あるがまま ” と表現してあって、なるほど怖かろうが少々痛かろうがそのまま前へ出ることが(自分のようなタイプの者には)大事なんだと確信したのです。
そんなごちゃごちゃした舞台裏で臨んだ今回のライブは、当日の実際に歌い始める第一声まで、「どんな歌声でも、それがこれまでどのようにして生きて来たか?の結果でしかない」という心持で、それこそ逃げも隠れもせずどっかりと皆様の前に登場することが出来たのです。
※10月1日(土) 第十一回 ミトミライブに出演します!!